2011年2月13日日曜日

ヨーロッパ・ホテル編

今回滞在したヨーロッパの都市は3ヶ所。

アムステルダム(オランダ)3泊
ブリュッセル(ベルギー)2泊
コペンハーゲン(デンマーク)3泊

真冬のパッケージツアーでは、行きたい場所の商品がなかったので、航空券・ホテル・鉄道などをネットで予約した。
ホテルの予約に使ったのは、エクスペディアである。
日程と宿泊先の都市名、人数を入力して検索すると候補を表示してくれる。
これを価格の安い順に見て、内容や立地条件、経験者のレビューを参考にして決めた。

INNER Hotel(Amsterdam)
アーチ型窓の真ん中がボクらの部屋
なんといっても価格が安い。
4人1室で1泊が約9,000円(4人分の料金)
しかも朝食(ビュッフェ形式)付きである。
その代わりに部屋は、2段ベッドが二つ置かれていて、それだけで部屋のスペースを占領している。
簡易シャワーとトイレ、洗面台はついている。
ホテルは寝るだけと割り切れば、くつろげるスペースがないぐらいは我慢できる。
左の写真を見ると、それなりに趣のある建物である。
窓のすぐ横が歩道なので、歩いている人の話し声が丸聞こえである。
同じ部屋の中で会話しているかと錯覚するぐらいよく聞こえるのだ。
人通りが少なかったのが幸いであった。

続いて部屋の中の写真はこちら。
初めて部屋のドアを開けた時、一瞬絶句。

せ、せまい

味も素っ気もない、鉄パイプの2段ベッドが2台。
以上

トイレとシャワーは部屋についていたので困ることはなかったのだが、いかんせん狭い。
スーツケースを置く台もないので、3つ床に置いておくとすごく場所をとられる。

朝食はビュッフェスタイル。
食えるだけ食う。
これを基本方針として三日間利用した。
パンやハムが3種類もあって、とてもおいしい。好きなチーズも食べ放題。
コーヒーもなかなかいい味である。

もうひとつ良かったのは、無線LANが無料で使えること。
1階の食堂近くに設備があるらしく、食堂では問題なく使えるが、ボクらの部屋が食堂に近かったので、部屋でも使うことができた。
ネットが使えると、なにかと便利なのだ。

ついでに、Eurobookings.comサイトではこのホテルの動画まで見ることができる。

Mercure Brussels Center Louise(Brussels)
ホテルの最寄り駅Louiseの駅前

Eurobooking.comのリンク先はこちら

4人で1泊¥10,400、朝食はついてない。
メトロの駅Louiseから徒歩で5分程度。
ホテルの前はお店も多くてにぎやかな街並みである。
到着した時は、チェックイン時間よりも早かったので、スーツケースだけ置かせてもらった。フロントで頼んでみると、そっちの部屋に入れておくように言われた。
その部屋のドアを開けて見ると
わお
部屋中びっしり荷物だらけ。
すきまを詰めて、自分たちの荷物をなんとか置いた。
観光を終えて、夜にホテルへ戻ってみると、その部屋には我々の荷物だけが残されていた。

チェックインを済ませて、部屋へ行く。
部屋はボクらの想像していたとおりのもので、ちょっと安心。
ダブルベッドが2台、バスルームも広々でバスタブ付き。
それだけでもリッチな気分である。

液晶テレビも置いてある。こっちへきて初めてテレビ番組を見た。
ちょうど年末だからか、タレントかアナウンサーのNG集みたいなのをやっている。
こういう番組どこでもあるのね。
これぐらいなら言葉はわからなくても見ていられる。

なかなかうまそうでしょ?
このホテルでは客室でのネット接続は有料で、1時間4.5€。(1日でいくら、という選択もあり)翌日の場所を確認するのに1時間分だけつないだ。
朝食はホテルを利用しなかったので、近くのスーパで前日にサンドイッチの食材を買い込んだ。湯沸かしは部屋にあるし、コーヒー、紅茶も置いてある。

今回の旅では、どこへ行っても暖房はパネルヒータだったが、このホテルはエアコンだった。
それが逆に珍しかった。




Hotel Copenhagen(Copenhagen)
カーテンはIKEAだった。
Eurobookings.comの紹介はこちら

ここが今回宿泊したホテルの中では一番高い。
とは言っても、4人1室で1泊が約¥10,800
高いといってもこの程度。
しかし、ちょっと期待してた。
どんなホテルだろう?
名前もHotel Copenhagenと、一番先に名のったみたいじゃない。

しかし

部屋はシングルベッドが2台と2段ベッドが1台(写真参照)
しかも、トイレとシャワーは共同
えっ、共同?
ひえ〜
同じフロアにはトイレとシャワー室がひとつしかない。
こんな時期で空いていたからよかったが、これで宿泊客が多かったら順番待ちだよ。
しかもボクらの部屋のすぐ隣が、このトイレ&シャワー室。タオルと着替えを持って、ささっと済ませ、次の人にバトンタッチ。
なんだか落ち着かないなあ。

ホテルの食堂。有名なデザイン家具?
ここのホテルは無線LANなし、客室ではインターネットは使えない。
1階のロビー横に1台だけ共有パソコンがおかれていて、それは無料で使用可能(順番待ちしている時はおひとり15分までの貼り紙)

朝食は有料だが、ホテルにしてはリーズナブルな料金(約650円)だったので、2回利用した。(1月1日だけは営業開始が2時間遅かったので利用せず)
ここもなかなかおいしい。

ホテルの周囲は静かな場所だが、20分程歩けば街の中心地へ行ける。
コペンハーゲンは、観光で行くような場所は徒歩でまわることができる。
これで吹雪とかだとつらいが、滞在中は天気が良かった(寒さは厳しいけどね)
空港からはメトロに乗ってIslands Brygge駅まで15分程度。駅からホテルまでは徒歩5分。
ロケーションは良かった。

2011年2月5日土曜日

9日目 2011/1/2(日) さようならヨーロッパ

思えば、年末に旅行へ行くことを決めたのは、もう11月になってからだった。
ボクの正月休みを利用して、あと2日有休で休めば、かなりのビッグバカンスになる。
それならばなんとかなるかも。
ということで、旅行代理店のツアーを探したが、冬の北欧となると、オーロラかサンタクロースしかないのだ。
今回はルンドにいる娘に会う、という大きな目的があったので、このツアーだとどうしても自由時間が制限される。
カミさんがネットで航空券・ホテル・鉄道などの予約サイトを調べてくれた。自分等でチケット予約してもそこそこ安くで行けそうだとわかった。
いまは海外旅行もネットで比較的簡単に予約して切符を手配できてしまう。

さて、そんな旅行も本日帰国である。
コペンハーゲンからアムステルダムを経由して関空まで。
ホテル・コペンハーゲンの朝食は、今日は平常通り7時30分から営業である。
しっかり味を噛みしめながら、腹いっぱい食べて出発する。
娘もカストラップ空港まで見送りに来てくれた。
あと半年、いろんなものを見て、たくさんの人と話して、元気に日本へ帰っておくれ。
そんな思いを抱きながら、お互い笑顔で手を振った。

帰りも極めて順調な旅である。
さて、明日からはまた日常に戻るが、もう少し夢を見させてもらおう。
日本までは長旅だ。

2011年2月2日水曜日

8日目 2011/1/1(土)新年はコペンハーゲンで

新年あけましておめでとうございます。
コペンハーゲンで迎える2011年の朝である。
旅行も終盤を迎え、大きなイベントは残すところきょう一日のコペンハーゲン市内観光だけである。
明日は帰国のフライト、そして翌3日に関空へ到着だ。

チボリ公園付近
時間もないので、できるだけ早くに市内へでかけたい。
8時過ぎにフロントへ降りてみると、真っ暗?
よーく見ると、机の向こうにはいつもの北欧系の綺麗なお姉さんではなく、インド系のおじさんが座っている。
この日だけは、あのおいしい朝食は9:30から営業なのである。
だれも1月1日の朝早くから活動しないのだ。
ん〜、残念だが仕方がない。ここで営業開始まで1時間以上待つのは時間がもったいない。
でかけ際によくみたら、ロビーのソファーで誰か寝てる。昨晩のカウントダウンで夜更かししたんだろうね。

気温はキーンと冷え込んでいるが、天気は上々。
街の中心地までは歩いても20分程度で行くことができる。通りのあちらこちらには、昨晩の打ち上げ花火の残骸が放置されている。
誰が片づけるのかね。
川にかかる橋を渡ると、ほどなくチボリ公園に到着。
ここは冬季間は営業中止であるが、クリスマスシーズンだけは営業している。それも12/30には終了。
柵越しにながめるしかない。
車はそこそこ走っているが、人の姿はとても少ない。
コペンハーゲン中央駅
朝飯を食べそこなったので、どこか営業しているところはないものか?
そこで思いついたのが、コペンハーゲン中央駅である。
ここなら人が行き来するしカフェぐらいはオープンしているだろう。
はたして行ってみると、あいてるあいてる。
カフェで朝食。
フランスパンのサンドイッチがおいしい。

ここから街の目抜き通りを散歩しながら、アマリエンボー宮殿を目指す。
にぎわう通りも飲食店以外のほとんどの店は閉店。
元旦だし仕方がないね。
ロイヤルコペンハーゲンもウィンド越しに見るだけ。
店は閉まっていても人通りは結構あるものだ

衛兵カモーン!勢ぞろい
アマリエンボー宮殿では衛兵の交代式が見られる。
到着してみると、すでにたくさんの人が集まって人垣ができている。
みんな大きいので、後ろからだとほとんど見えない。
心優しいオジサンがたが、背が低い東洋人(ボクらのこと)を前に入れてくれた。
なんだかみんなのんびりしてるよ。
娘達はというと、最前列まで場所を空けてもらって特等席で衛兵の到着を待つ。
吹奏楽の音色と供に、衛兵たちがやってきた。
なんだろうね、あの巨大な帽子は?スタイルが面白い。
寒くても休みなし。

かなり長時間見学してから宮殿内の土産物屋でトイレを借りてから、人魚姫象を見に行く。
姫は上海万博へ出張していたが、無事こちらへ戻ってきた。
アマリエンボー宮殿からは、少し距離がある。コペンハーゲン中央駅から一駅分離れた、カステロット要塞(五角形の星形)の一番端に人魚姫はいらっしゃる。
ここはさすがに人が多い。観光バスも近くに停車している。こんな光景はこの旅行中初めて見たかも。
それだけ名所中の名所ということか。
姫もさぞかし寒かろう
彼女は以外と小さいというか、原寸大というか。
設置場所は水際なので、道路から下へ降りていかないと近づけないのだが、なにせ足場の悪そうな場所だし、雪が積もっていて上級クラスの危険度。
みんなが注目している先で、すっころぶとカッコ悪いな。
下は岩だし、かなり痛そう。
ということで子供たちだけ降りていって、姫に近づいてパチリ。
親は道路からパチリ。

ここまで来るのに、かなり歩いた。腹もペコリ。
パステルカラーの家々
ニューハウンヘ行ってみよう。
ニューハウンは船着き場で、そこに沿って建っている建物がきれいなパステルカラーなのだ。ボクも写真等では見たことがある。この色合いがかなりデンマークらしさを醸し出している。ここまで行って昼飯としよう。
実際に遠目で見ると、写真通りのパステルカラーでキレイ。近づいてみると、建物もかなり老朽化しているのがわかる。
さて、昼飯をどこにするかな、と1軒ずつ外にでているメニューをながめながら検討。
人の出入りが多そうなお店に決めて入ってみる。
なかなか雰囲気のよさそうな店である。
しかし、それにしても店内が暗い。
暗すぎだろう。日本の感覚では、指導が入ってもおかしくないほど。
特にボクのように老眼が進んでくると、暗さにはとても弱い。ムードがあるといえばそうなのだろうが、もう少し改善を望む。
内容はニシンの酢漬けや白身魚のフライなど、魚貝系がなかなかおいしい。

またぶらぶらしながら、街の様子を見学。
中に入って見るような場所が、ほとんど休館で入れないのでしかたないね。
次第に日が落ちていくと、寒さは益々厳しくなる。
ちょっと暖かいものを飲みたくなって、マクドナルドへ飛び込んだ。
コーヒーとホットチョコレートを注文。マクドナルドのいいところは、Wi−Fiに無料でつながること。
明日のフライト情報などを入手して、夕暮れの街をホテルへ向かったのだった。

2011年1月29日土曜日

7日目 2010/12/31(金)橋を渡ればスウェーデンなのだ

大晦日か。
全く実感なし。
時差が8時間あるので、こちらは朝でも日本は夕方に近い。
もうちょっとしたら、紅白も始まるし、上野アメ横から年の瀬中継なんかやってんだろうなと、一瞬思った。

ここのホテルも朝食はついていなかったのだが、45DKKで食べられるという。
それなら安い。
パンが2種類、ハム、チーズ、フレッシュジュース、コーヒーなどがビュッフェ形式で食べられる。
さすがに外へ持ち出すのは気が引けるが、がんばれば2食分ぐらい腹に詰め込めるだろう。
おいしいので満足。

今日は日帰りで、娘の留学先であるスウェーデンのルンドという街まで行く。
そのための荷物も日本から運んできたのだ。
メトロで空港まで行って、そこから列車の駅まで歩いて行ける。
国際列車に乗ってルンドまで、約40分程度なのである。
トーマスクック時刻表によると、コペンハーゲン(カストラップ)からルンドまでは51kmである。これは京都〜彦根(61.7km)よりも近い!
毎日この距離を通勤しているのだから、そう思うと近いものだ。
切符もメトロから列車に乗り換えてルンドまでを1枚の切符で乗れる。
いやはや便利である。
国際列車の車内
近いとはいえ、国際列車である。
大きな荷物を抱えた人も多く乗っているし、自転車でそのまま乗り込んでくる人もいる。
列車は出発後、ほどなく海の上を走る。
デンマークとスウェーデン間が橋で結ばれ、道路と線路がその上を走る。
窓から外をのぞくと、流氷と半分凍り付いた海が見える。
見るからに寒い風景なのだが、車内は快適。寒くないが暑過ぎることもない。
この列車でも検札に車掌がやってきたが、国境越えについてはなにもなし。
知らないうちにスウェーデンである。
スウェーデンに入って最初の駅マルメに到着。
南北に長いスウェーデンの最南端の地方に、マルメ、ルンドは位置する。南の地方の中では、マルメはかなり大きな都市で、ここにもマルメ大学というかなり大きな大学がある。
そしてその次の駅がルンドである。
外へ出てみると、雪も多いしさすがに寒い。歩道はもちろん車道も雪で覆われている。

娘の案内で、駅前の大きなスーパーマーケットへ行ってみる。
かなり広いスーパーで、商品は豊富だし、パックで売るだけではなく魚屋などは、中でサーモンの切り身を作る作業をしている。
中を歩き回って、商品やパッケージを見ているだけでも楽しい。
昼食用に、ここで食料品を買い込む。
カートにかごを乗せて押していくスタイルは日本と同じだが、かごを直接床において、ずりずり引いていくのは日本では見かけない。合理的だが、日本だと汚いと思われそう。
会計では、さきに自分でかごから商品を取り出して、並べていく。
ついたてで商品を振り分け
レジ係は、イスに座っていて、商品のバーコードを読ませたら、よこの滑り台に商品を投げていく(結構乱暴)
商品は滑り台をすべって、下にたまる。
お客はそれを自分で袋に詰めていく。ここでもマイ袋を持参していれば袋代をとられない。
この滑り台が面白い構造である。
滑り台の途中が二つに分岐していて、連続するお客の商品が下で混ざらないように、貯まる場所を切り替えできるようになっている。ちょっとわかりにくいと思うが、ついたてが途中に立っていて、それが動くことで経路を切り替えるのである。
なるほど~、面白い。(写真参照)

寮の窓からの風景
駅前からバスに乗って約10分で娘の寮に到着。
雪道を大きなスーツケースを抱えて(コロで転がすことができないため)しばらく歩く。
広くて綺麗な部屋で、眺めも開けていて気持ちがいい。
トイレとシャワーも部屋に備え付けられている、キッチンは共同。ここで他の生徒とコミュニケーションできるのだという。
部屋でネットワークもつながるし言うことないね。

買ってきた食料品を調理して(チンのこと)昼食andしばし休憩。
日本から持ってきた荷物は全部はき出して、帰り道はスーツケースも軽々。
明るくて清潔そうな部屋を見て安心した。
暗くなる前にバスの乗って再び駅前へ。

ルンド大学の一部
駅から大学のキャンパスが広がっている。
どの建物もお城のような絵になるものばかり。味気ないビルディングではないので、こんな中にいるだけでアカデミックな雰囲気だろう。
講義によって広大な敷地の中を移動しなければならないが、それも楽しそうである。

長い北欧の冬は3月まで続いて、その後ようやく春がやってくる。
しかし、この雪が解け出すってのもあまり想像したくない光景ではある。
一日中泥だらけ?
土産物屋もほとんどが閉店状態(12/31の夕方)
とあるお店のウィンドウから中をのぞいていたら、中にいたお店のおじさんと目が合った。
向こうから手を振ってくれている。こっちも手を振ると、なにか通じ合うものがあって、特別に店を開けてくれた。
せっかく開けてくれたのでお土産購入。おじさんも2010年最後の商売になっただろう。
よかった。
もっと長くいたかったが、辺りはすでに真っ暗、開いてる店はないし、そろそろ引き上げようということになった。
列車に乗ってコペンハーゲンへ戻ってホテルへ着いたらまだ7時過ぎ。
4時ごろには暗くなってしまうので、感覚的にはもう夜中である。

帰りのメトロ車内、年越しカウントダウンへでかけると思われるちょっとめかし込んだ若者がたくさん乗っていた。この時間から、あちこちで花火の打ち上がる音が聞こえてくる。
時間が経つにつれて花火の音はどんどん激しくなっていく。
そして年越しのその瞬間、花火は最高潮に打ち上がり、若者たちの雄叫びも聞こえてくる。
すでに家人はボクを除いて全員深い眠りについていて、この騒音の中起きる気配もない。
こうしてボクは、コペンハーゲンで2011年を迎えたのだ。

2011年1月23日日曜日

6日目 2010/12/30(木)いよいよ北欧へ

今回利用したKLMのフライト予約をするとき、2都市滞在型でチケットをとった。
アムステルダムとコペンハーゲンを滞在地としたので、この都市間の移動はKLMが使える。
そのためにブリュッセルからは直接コペンハーゲンへ行けないので、一度スキポール空港へ戻らなければならない。
再び列車でブリュッセル南駅からスキポール空港駅へ移動。

さよならベルギー(車窓から)
行きはタリス指定席で快適に来たのだが、復路は節約してオープンのチケットにしたため、列車も席も自由である。
幸い南駅から乗り込んだわれわれは席が確保できてよかったのだが、この列車どんどん混んできて、アントワープあたりでは立ってる人もやや苦しそう。今回の旅で見た一番混雑している光景だった。
そこまで混む前に車内検札がまわってきた。
切符を買わずに乗り込んだ二人の黒人が車内で買おうとして、なにやら車掌ともめている。乗る前に買えと、かなり厳しく注意している様子。
結局一人は次の停車駅で降ろされてしまった。
なるほど、駅に改札はないが、切符を持たずに乗るとこんなことになるのか。

オランダに入ってから、すこし混雑は緩和されたが、こんな状態でも車内販売(ワゴンカー)がやってきた。
なんとかワゴンを進めようとしていたが、さすがに通路を進めないので、遠くの客からオーダーだけとって、手持ちで運んでいった。
ひえー、根性あるなあ。

空港の売店、チーズがうまそう
スキポール空港について、さっそくフライトのチェックインとバゲージドロップを行う。
ここではチェックインも、荷物預けも全て無人化されている。
係員は立っていて操作は教えてくれるだけ、これはかなりの人件費軽減が図られているとみえる。
操作はタッチパネル方式、言語は日本語が選択できるのでうれしい。ところどころ翻訳がおかしいが十分理解できる。
スーツケースを預けるのも機械式。ところがボクが持っているスーツケースが重量オーバー(25kg)で警告を発した。フロントへ出向けと言う。これでは追加料金をとられてしまうので、別のスーツケースへ荷物を移動した。
これで無事計量を通過してベルトコンベアで運ばれていった。

スキポールから約1時間で、カストラップ空港(コペンハーゲン)に到着。
スキポールのカフェでサンドイッチを食べたが、もう夜である。
北欧は夕方4時を過ぎると、もう夜のような暗さになる。
まだ荷物も持っているし、空港で食べていこうと思うのだが、バーガーキングぐらいしかやっていなさそうである。荷物をカートに乗せて、バーガーキングへゴー。
やや物価高め、こういうものは世界中味は変わらないね。

iPhoneのマップ
さて、毎度のホテルへの移動である。
前日にベルギーのホテルでコペンハーゲンの資料をダウンロードしたのだが、このホテルはインターネット接続が有償であった。
なので1時間だけ接続を契約(4.5ユーロ)(約500円)しかも無線ではなく有線のみ。
こんなこともあろうかと、持って行った無線アクセスポイント機器がここで役に立った。これを有線LANにつなぐとwi-fiで接続できるようになる。
よかった。無事iPhoneにデータを収納。
資料によると、カストラップからメトロでホテル近くの駅まで行くことができる。
駅からは徒歩で10分程度である。
このパターンも3度目なので、だいぶ慣れてきた。

空港から駅に向かって歩いていくと、途中で切符の自動販売機。
ここもタッチ式で切符が購入できる。クレジットカード使用可。
切符を持って進んでいくと、ここでも知らぬ間にホームまで着いてしまう。この感覚はまだ慣れない。途中駅員も係員もだれもいない。
自転車がそのまま乗ってる
コペンハーゲンのメトロは無人列車である。神戸のポートライナーみたいな感じね。
この路線は比較的最近できたらしく、全体的にきれいだし車内も立つスペースは広々している。ヨーロッパの列車やメトロは、自転車が折りたたまずに乗り込めるところが多い。このメトロももちろんOK。そんなのもあって、広いスペースが確保されているのだろう。
ただし、車内の床は靴などで雪が持ち込まれるからだろう、かなりどろどろ。その泥がシートにも結構ついている。
メトロは5分以上待たされることなくじゃんじゃんやってくる。行き先さえ間違えなければスムーズに移動できるのでなかなか快適である。

目的の駅で下車して、ホームからエレベータに乗って地上へ出ると、すぐに外である。
この「プラットホームからいきなり外」がどうも慣れないな。
改札という、内と外を区別するものがないとなんだか落ち着かない。
iPhoneのマップを頼りに進んでいく。見慣れたセブンイレブンのコンビニを通り過ぎ、さらに行くと宿泊先である「Hotel Copenhagen」に到着。

ホテル入口(翌日撮影)着いた時は真っ暗
このホテルも安い。
名前だけ聞くと、コペンハーゲンで老舗の高級ホテルみたいだが。
4人部屋で、トイレとシャワーは共同。
テレビは一応部屋に置いてあったが、どうやっても電源が入らない。
ついたところで言葉がわからないし、さして見ようという気も起きない。
スーツケースを広げるのもたいへんなほど狭い。(詳しくはホテル編参照下さい)
かなり疲れていたので、ちょっとベッドで横になったら眠ってしまった。
しばらくしてカミさんに起こされ、ちゃんと布団に入れと言われ、一度は入ったのだが、今度はそのあと目がさめてしまい、眠れなくなった。
シャワーを浴びて、部屋に戻ると家族はみんなもう寝ている。
部屋ではネットもつながらないので、荷物を整理したり旅の思い出を整理しながら、そのうち眠くなり就寝。

5日目 2010/12/29(水) ブリュッセルでマンガを見る

だんだん年の瀬がせまってきて、いつもであれば年賀状の作成に追われ、大掃除などしている時期。
こんなに毎日遊び歩いていて申し訳ない。
とはこれっぽっちも思わず、今日も街へ繰り出す。

ホテルのある通り
その前に、
ここで宿泊しているホテルは朝食は宿泊料金に含まれておらず別料金なのだが、これが結構高い。ホテルの朝食はたいてい高いと相場が決まっている。
チェックインの時に、フロントのお姉さんが早口でそのシステムを説明したのだが、全部は聞き取れず、高いということだけは理解できた。
なので、前日のうちに近くのスーパーでフランスパンとハム、チーズを買い込んで部屋で食べた。これだと安いし、なかなかうまい。
フランスパンはそれほど堅くなくて味わいがあって、チーズも安い。こっちではカマンベールチーズを毎日かなりの量食べていた。

今日の予定は、まずはマンガ博物館である。
キャラクター「タンタン」はベルギーのマンガだったんだね。
知らなかった。
それ関係のものが展示されているらしい。ベルギーは結構マンガが盛んで、マンガに関するものがいろいろと展示されているという。ちょっと軽めで面白そうではないか。
この後で、明るいうちにグラン・プラスを見て、EU本部から凱旋門をまわるというルート。凱旋門というとパリのが有名だが、こちらのも興味がある。

マンガ博物館の向かいの建物
地下鉄ではなくてトラムに乗ってでかける。
景色が見えるので地下鉄とは違って明るい雰囲気。ここも不況の影響か巨大なビルディングが廃墟となっているものがそのまま残っている。
マンガ博物館は展示品の説明書きがフランス語(たぶん)で書かれているので、受付で他の言語の冊子(説明書きの翻訳物)を貸してくれる。
「どの言語がわかりますか?」
と聞かれて、臆面もなく「Einglish」と答えたが、ひょっとしたら日本語もあったかもしれない。
中は想像以上に広いのだが、見たこともないマンガが多くて(当たり前)だんだん飽きてくる。セリフも何が書いてあるかわからないし。
そこからサンミッシェル大聖堂(中のステンドグラスが素敵)を通り、グラン・プラスへ。
昨日は暗い中でしか市庁舎を見ていないので、明るい時に見ておきたかったのだ。
こうしてみると、市庁舎は圧倒的存在感だなあ。
街を歩いていると、時々無料のWi-Fiをキャッチすることがある。
市庁舎の一角がインフォメーションセンターになっていて、そこでキャッチできる。すぐにネットにつないで、情報を入手。

フレンチフライポテトが大量
そろそろ昼食を食べたいし、繁華街をぶらぶら。
人の出入りが多い安心そうなレストランへ入る。
ベルギーはムール貝の産地でもあり、これを使った料理も多い。4人とも違う料理をオーダしていろいろ食べ比べてみる。
あとで知ったのだが、ベルギーはフライドポテトの発祥地だする説もあるらしい。そういえばボクとカミさんがオーダしたポークチョップと串ケバブには大量のフレンチフライポテトが添えられていた。おいしかったが腹一杯だ。

このあたりに小便小僧の少女版もあり、しゃがんだ姿勢の像があるという。こちらは水は飛んでいない。
メトロに乗ってShuman駅へ。
EU本部(たぶん)
地上へ出てみると、目の前にEU本部の巨大なビルがそびえている。ちょっとかわった形状のビルで、Googleマップを上から見るとその形状がよくわかる。
このあたり、近代的なビルが多い。

さらにそこから15分ほど歩くと凱旋門を見ることができる。
これも近くで見ると、その巨大な姿に圧倒される。凱旋門前の庭はかなりの積雪で、一面真っ白である。夏の時の写真をガイドブックで見たが、全然イメージが違う。真冬の凱旋門もある意味貴重かも。

凱旋門のでかさにびっくり

4日目 2010/12/28(火) Thalysでオランダからベルギーへ

9:16発 パリ北駅行き
この日はヨーロッパを走る国際高速列車「タリス(Thalys)」でベルギーの首都ブリュッセルへ移動する。
約2時間でアムステルダム中央駅→ブリュッセル南駅へ到着する。
トーマスクック ヨーロッパ時刻表によると、この間は230km程度である。
新幹線だと、京都から豊橋(浜松より少し京都側)
そう考えると近いものだ。
このタリスは、ブリュッセルを越えてそのまま乗っているとパリまで行くことができる。アムステルダム〜パリ間 約540kmを3時間20分で走る。ちょうど東京〜新大阪(552km)の感覚だ。
大陸で国境を接しているので、なんだか不思議に思える。
東京出張感覚で、アムステルダムからベルギーを通り、フランス・パリへ
ほほー

ホテルが変わるので、ボクらは全荷物を持っての移動である。
昨日の400段らせん階段が足腰に重く効いてくる。
ユトレヒトからの帰りに、タリスの発着ホームは確認しているので駅で迷うことはない。
ホームのベンチで列車の到着を待っていると駅員がやってきて「きみたちは9:16の列車に乗るのかい?そうなら発車ホームが変更になったよ、移動してくれ」
こちらでは、こういうことはよくあるらしい。乗客はぞろぞろと大移動である。
そうこうするうち、赤い列車が到着。
国際列車らしく、スーツケース置き場もちゃんと設けられていて、ボクらも指定席へゆったり腰掛けて出発だ。
列車は順調に走る。
デン・ハーグ、ロッテルダムを通り、やがてアントワープへ。
アントワープはフランダースの犬の舞台の場所。
ということはすでにベルギーか。途中で検札には来たが、国境を越えるからといってパスポートチェックもないし、ましてや入国スタンプもなし。
ツーリストとしてはちょっと寂しい。

さすがワッフルの国
特に波乱もなく、ブリュッセル南駅へ到着。
まずは、スーツケースなど大きな荷物をホテルへ預け、そのあとで市内観光をしよう。
ここでの宿泊は「メルキュール ブリュッセル センタールイーズ」というホテル。
場所は、南駅からメトロで3駅目の Louise という駅で降りて、そこからは徒歩である。
ここも自動販売機で切符を買うのだが、オランダと違ってコインしか受け付けない。ユーロのコインはたくさん持っていたので4人分を購入して乗り場へ。
ここも改札は無いようなもの。素通りできてしまう。

ホームへ降りていく長いエスカレータに乗っていると、前の方でなにやら大声で叫ぶ声がする。あとから想像すると、旅行者丸見えの日本人(ボクらのこと)に対して、子供がスリをしたんじゃないかと、大人が子供に詰め寄っていたようなのだ。
そういえば、ボクのすぐ後ろの異様に近い位置にピッタリと子供が立っていたなあ。
慌てて大切なものを確認するが、だれも被害には遭っていなかった。なんだかアムステルダムの人の良さに油断していたなあ。
どこ行っても鞄はしっかり抱えていないと危ない。

前回は駅からホテルまで行くのに失敗しているので、今回はiPhoneにあらかじめこのあたりの地図をダウンロードしておいて、GPSに導かれるまま歩いてみた。
ちゃんと誘導してくれて、無事ホテルへ到着。チェックインはまだできない時間帯なので、荷物だけ置かせてもらって、市街地へ。
地下鉄でのスリ未遂騒ぎといい、街にかなりの物乞いが座っていること、ホテルのフロントの冷ややかな対応など、ちょっとアムステルダムとは雰囲気が違う。
ベルギーは言葉が複雑で、フランス語、オランダ語、ドイツ語、英語などが使用されている。ボクがここで聞いた限りでは、基本的にはフランス語が多いように感じた。
みやげ物店などではメルシーボクゥという言葉をよく聞く。

ここはアムステルダムよりも雪が多く残っていて、天気もどんよりしていて気温も低そう。
メトロLouise駅〜Arts loiで違う路線に乗換え、Gare Centrale(中央駅)へ行き、そこから徒歩で街をまわってみる。結構坂道が多くて、みぞれも降ってきて体力をかなり消耗する。目的地は楽器博物館である。
ここには古代の楽器からシンセサイザーまで、古今東西の楽器が展示されている。
入り口でヘッドホンを借りて着けるていると、展示された楽器の前ではその楽器を使った演奏が聞こえてくる、なかなか楽しい仕掛けのある博物館。

グラン・プラスの市庁舎
この博物館も展示数がべらぼうに多くて見終わった時点ですでに夕暮れ時。
ここから世界遺産である「グラン・プラス」へ行ってみよう。
市庁舎と王の家にはさまれた広場前には、ものすごい人が集まっている。
すると、広場のクリスマスツリーがぴかぴかとフラッシュし始めると、音楽が鳴り出して、市庁舎に映像が浮かび上がった。
実はちょうどクリスマスシーズンに合わせて、この場所で光のショーが繰り広げられていたのだ。ボクらはそのことを知らずにちょうどそこへ出くわしたわけ。
市庁舎の建物自体をキャンバスにして、王の家から巨大なプロジェクターで映像を映し出す。10分程度のショーだが、なかなか面白い。





色とりどり小便小僧チョコ
さてと、ブリュッセルにはどうしても見逃すわけにはいかないスポットがある。
それは小便小僧である。
ボクの頭の中では、ブリュッセルイコール「小便小僧」なのだ。
グラン・プラスからそこへ行くまでに小さなお店がぎっしりと建ち並ぶ通りを抜けていく。
途中で、人でにぎわっているクッキーのお店があってそこへ入ってみる。ここはガイドブックにものっている店「DANDOY(ダンドワ)」で、ワッフルがおいしいらしい。それではと、チョコレートワッフルを娘たちがオーダーして食べてみる。
これで、ベルギー名物のワッフルとチョコレートをまとめて体験できたことになる。
焼き立てのワッフルはフワフワで、とてもやさしい味、それに濃厚なチョコレートがとろりとかかっていて、おなかもすいているし夢のような味。
そしてその後ようやく会えた小便小僧は今日も元気に水を飛ばしていた。

2011年1月16日日曜日

3日目 2010/12/27(月) ユトレヒトは月曜日

2010年は、世界で親しまれているうさぎのキャラクター「ミッフィーちゃん」生誕55周年だった。
そして来年はうさぎ年、ボクは作者のディック・ブルーナのグラフィックデザインにも興味がある。そして、ユトレヒトはブルーナが今も住んでいて「ブルーナ・ハウス」という場所もそこにある。
これはボクらを呼んでいるようなものではないか。
ユトレヒトはアムステルダム中央駅から列車で20分程度のところにある、オランダ第4の都市であるという。
列車も乗れるし、ちょうどいい。

ボクらの3日目の計画はこうだ。
開館と同時に「国立ゴッホ美術館」へ行く。そのあと『アンネの日記』で有名なアンネ・フランクが隠れた住まい(これってドイツの話だと思ってた)を見学して、午後からユトレヒトでミッフィーざんまい、という盛りだくさん。

アンネの家の前の大行列
10:00開館目指してゴッホへ。
KLMオランダ航空のおまけでもらった「オランダ・パス」を利用して、一人分の入場料だけを支払って鑑賞。
これがまた広くて作品の量が多いこと。
ゴッホの絵画も山盛り展示されているが、関わりのある画家、ゴーギャン、ピサロ、モネ、マネなどの作品、ゴッホを題材にした自伝の漫画など、様々。見ごたえ十分で、ここだけですでに2時間が経過。

急いでアンネ・フランクの家に向かう。
ところが、なんと入り口前には長蛇の列。ぐるりと家を取り囲んで人が並んでいる。
これでは並んでいるだけで夕方になりそう。
しかも思いっきり屋外でめちゃ寒いし。

ここは断念して、ユトレヒトへ向かう。
行き先に注意して列車に乗り込む。切符や乗り方は、もうだいじょうぶ、学習した。
ユトレヒトは、アムステルダムとはまた違って駅に大きなショッピングモールが合体しているので、人も多くて雰囲気も現代的。
さーてミッフィーちゃんはお出迎えしているかな?
もうすっかり頭の中では、水木しげるロード(境港や調布)のようなイメージができている。
しかし
ミッフィーちゃん なし
どこにもいない
そこらのお店で、ブルーナ・ハウスはどこかと聞いても、知らないという。
しかも、もう一度ガイドブックを見ていた娘が
「ブルーナ・ハウスは月曜日休館だよ」

がーん

おみやげもミッフィーちゃんグッズを買って、「兎年だし、生誕55年だしね〜」なんて渡す時のせりふまでイメージが膨らんでたのになあ。
しゅわーと空気が抜けた。

しかし、ここまで来たら引き返すこともできない。
街をぶらぶらするとしよう。

ドム塔

駅から少し離れていくと、ようやく歴史ある建物も現れてきた。
さらに行くと奥に高い塔が見えてくる。
ドム塔である。
ここではガイドの案内で、塔の階段400数十段を登って、てっぺんからユトレヒトの街を一望する、というツアーがある。この日の最後のツアー 16:00出発にギリギリ間に合い参加。子供らも含んで、たぶんいろんな国の観光客が30名ほど参加している
いやー、らせん階段を登るのはかなりつらい。
上に行けば行くほどらせんの半径がどんどん小さくなっていき、目も回り気分が悪くなる。しかも寒さも増してくるし。
ただ、頂上からの景色は素晴らしい!
だけど吹きっさらしであまりに寒くて、ぐるっと1周見たら凍える。他のツアー客はもうすでに降りていったようだ。
われわれも凍りつく前に降りるとしよう。

2011年1月15日土曜日

2日目 2010/12/26(日) クラシック音楽と名画

旅行出発数日前のこと
観光予定立てるため『地球の歩き方 ベネルクス編』を見ながら考えていた。宿泊しているホテルからほんの目と鼻の先にコンセルトヘボウがあることがその時初めて認識した。
コンセルトヘボウとは、クラシック音楽好きの方はご存じであろうが、世界的に有名なクラシック系のコンサーホールのことである
これはぜひ見に行かねばらない。

さっそく、コンセルトヘボウのサイトから、ボクらの日程で見ることができるコンサートを探してみる。
旅行二日目の日程だと、小ホールでピアノ独奏と弦楽トリオ演奏の二つの公演があり、大ホールではロシアの民謡音楽?をやるようだ
三日目にあたる月曜日は休演日である。
できれば大ホールで観賞したいところではあるのだが、娘とも相談して弦楽トリオの演奏(小ホール)に決めた。
チケットの予約はオンラインでできる。しかし予約フォームのオランダ語だ。わからない言葉は想像で補って、なんとか申し込みは完了。しかし、どうやらチケットは実際に送ってくることになっているらしい。
これは困った。
いまから送られても、到着するころにはすでにこっちはオランダである。
急に不安がふくらむ。
会場前でチケットがなくて門前払いをくらう日本人観光客3人...
そうだ、コンセルトヘボウへメールを送っておこう
「こちら日本で申し込みましたが、郵送してもらっても受け取れません。そちらで預かってください。」
プアな英語を駆使してなんとか送信。
あとは彼らを信じよう。思いは伝わるだろう。


奥にコンセルトヘボウ、手前トラム
さて、旅行二日目である。
オンラインで予約したコンセルトヘボウでのコンサートは、11:00開演だ。
場所はわれわれのホテルのま裏。
ゆっくり朝食をとってから、9:00にホテルを出る。まだ早すぎるかと思ったが、入口には蝶ネクタイのお兄さんがすでに立っている。
さっそくチケットの件を聞いてみることにしよう。
「日本で予約をしたのだが、チケットを日本で受け取る前にこちらへ来てしまった。ボクらは入場できる?」
そうすると、彼は笑顔を浮かべ「あっちのチケット売り場で聞いてみて」と指をさす。
言われたとおりに、チケット窓口で「わたしの名前はxxxx、日本でチケット予約しました。取り置きされてますか?」
そうすると売り場のおばさんも笑顔をうかべ「ああ、あの長~いアドレスの人ね」と言いながら、郵送用の封筒にいれたチケットを渡してくれた。
ブラボーオランダ!
ブラボーコンセルトヘボウ!

思いは伝わっていた
こうしてボクらは世界の殿堂コンセルトヘボウ(小ホールだけど)でコンサートを聴くことができたのだ。
(ちなみにうちの住所はローマ字で書くと、町名が26文字になる)

で、その肝心のパフォーマンスは、なじみのない音楽でいまひとつピンとこない感じだった。バロック時代ってあまり聞いたことないし。ただ、こうして旅行先で素晴らしホールへ来られたのは感動である。


この近辺にはコンセルトヘボウの他にもゴッホ美術館、国立ミュージアム、近代美術館などが集まっている「ミュージアム広場(Museumplein)」と呼ばれる地区である。
この中でボクらが選択したのは国立博物館
ここは、絵画だけではなく、デルフト焼きの陶器をはじめさまざまな作品が展示されている。中でも有名なのは、レンブラントの「夜警」、フェルメールの作品である。
いま改装中なので全てを見ることはできない(ちょうどこんな映画『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』も日本で上映中 )
さすがに「夜警」は絵も大きくて大迫力である。フォルメールは三作品「ミルクを注ぐ女」「小路」「恋文」が展示されていた。
かなり広いし、作品群も多岐にわたっているので、これだけでもかなりお腹いっぱいになる。

このあとトラムでダム広場まで行き、ショッピングセンター「MAGNAPLAZA」をぶらぶら。日本だと25日を過ぎたら、ばっさりとクリスマスの飾り付けはお正月へと変わるが、こちらでは年内いっぱい(場所によっては年を越しても)クリスマスの飾り付けが残っている。

屋外スケートリンク横の看板

25日のブログで、ヨーロッパに留学中の娘とは最終地コペンハーゲンまで合流しないと書いたが、急きょ一日遅れでアムステルダムへ来ることになり、このあとスキポール空港へ迎えに行く。
ようやく家族全員そろって、このあとの旅行を続けることになる。

1日目 2010/12/25(土)さすらいのアムステルダム

アムステルダム中央駅

前回、大荷物を前に長いメトロへの階段前でたちすくむところで終わったが、立っていても仕方がないので、ここはすべての荷物をボクが3往復して降ろす覚悟で、1個目を降ろし始めた。降ろした荷物の見張り番に、娘を階下に残し2個目を降ろそうと途中まで階段をのぼったら、カミさんがひとつをよろよろ降ろしている。あれ?てことは1個は上に置き去りか?
よく見ると、見知らぬおじさんが運んでくれている。
どうやら見かねたおじさんが手を貸してくれたようで、いやホント助かった。
心優しきオランダ人、ありがとう!。

さて、ここでも列車と同様に自販機でチケットを買わなければならないが、やり方がどうにもわからない。路線図を見ても行きたい駅名が書いていないようなのだ。
駅員と思しき人に、聞いてみたら、
ボクらが乗るべきはメトロじゃない。
「トラムに乗れ」と
オーノー!トラムは地上じゃないの!

ますます冷え込んできた地上へと這い上がってきたわれわれの目にとびこんできたのは、トラムがうじゃうじゃ走っている恐ろしい光景である。
どれに乗ったらいいんだか。

話かわるが、京都駅前。
観光シーズンともなると、世界中から多くのひとでごったがえす。
外人さんも、駅前バスターミナルを前にたちすくことであろう。
京都駅前のバスターミナルって、住んでるボクらでも普段乗らないとまどうもんね。
案内板見ても理解できない。

トラムの車窓から(ダム広場付近)

まずは、適当にトラムの運転士に聞いてみる。
ひとりめの見るからに南国系のおじさんは、陽気に鼻歌を歌いながら、ボクが見せた地図を見ているのだが、あきらかに先方も(こちらの質問を)理解していない様子。
次に尋ねた女性の運転士は、「これではない。あなた方の行きたい方向のは、向こうからでているよ」と遠くの方を指さす。
その、指示された方向へ行ってみて若い男性運転士に聞くと、「車体の先頭に2 か 5と書かれたトラムに乗りなよ」と具体的で的確な指示をいただいた。
ダンキュー(オランダ語でサンキュー)と返し、妻子の元へ戻る。
ボクを待っている間に、彼女らはすっかり防寒対策で身を固めている。
大荷物を持って、乗り場へ行くと、5番が発車待ち状態ではないか。
すぐさま乗りこみ運転士から切符を購入。
2.6€×3枚
約20分程度で、なんとか目的の駅に着いた。

ホテル近辺の地図は持っていたので、それを見ながら歩き出すが、どうにも不安だ。
頼りのiPhoneも地図がダウンロードできていないのでGPSも役に立たない。
ここはやはり人に聞こうとあたりを見回すと、大人のカップル(女性は綺麗)がやって来た。
この二人に聞いたのが、悲劇の始まりだった。

ボクの地図をみた男性の方は最初から、今いる場所が地図上でどこなのかがわかっていない素振りである。
でも、ボクが言ったひとこと「目の前のこの通りはxx通りですよね?」で、一気に顔が明るくなり、「そうそう、だからキミたちのホテルは、左曲がって右曲がればすぐだよ」と教えてくれる。ボクも想像していた通りの展開だったので何度も礼を述べて別れた。
ところが、雪が積もる歩きにくい道をその通りに行くが、いつまでたってもホテル現れず。
一筋入る道を間違えたかと、さらに奥へと進んでもホテルはなし。
途方にくれるわれわれ。
さらにさらに奥まで進んでも全く見当たらない、ひえ~凍えるよ。
タクシーを拾うにも全然走ってないし。今晩はクリスマス当日だしなあ。

と、そこへひとりの50代ぐらいの女性がさっそうとやってくる。
もう一度きいてみると、女性は地図をみながら
「ここじゃないわね」 なんだか自信にあふれた言い方で信頼できそう。
一応道を教えてくれたのだが、よほどわれわれが雨にぬれた子犬のように見えたのか、理解しているように見えなかったのか
「じゃあいいわ、わたしがホテルまで案内するわ」
と、なんていい人なんだ!ホントに優しいなあオランダ人。
それではと、道を先導してもらって着いていくと、どこでわれわれが間違えたかが途中でわかった。最初の交差点で縦と横を逆に見ていたのだ。

こうして無事ホテルまでたどり着き、道案内の女性とは握手して別れたのだ。

初日終了

1日目 2010/12/25(土)やってきたアムステルダム


KLMオランダ航空(これに乗ってきた)
12月25日から10日間の予定でヨーロッパ4カ国をまわる旅行に出た。
8月からヨーロッパへ留学中の長女に会うのが一番の目的である。日本から行くボクらと現地で落ちあい、いっしょに観光をしながら、最後に通う大学を見る、という予定である。
日本からの同行者は家内ともう1人の娘。
ところが、ヨーロッパはこの冬記録的な寒波で空港があちこち閉鎖してしまい、スウェーデンにいる娘が移動できなくなった。初日にアムステルダムで合流することができず、最終地コペンハーゲンまでは3人での旅行ということになった。

こちらから行くのも心配したが、関空〜アムステルダム・スキポール空港までは極めて順調な旅。心配した空港の閉鎖も落ち着いたようで、遅れもない。
KLMオランダ航空は快適で機内食もおいしい。
オランダ人CAは(特に女性は)体格も良くて頼もしい限りである。

今回の旅行は旅行会社を通さず、フライトやホテル、列車の指定席など全てネットで予約した。
今時はもう普通にやっているのだろうが、ボクはここまで自分でやるのは初めて。
毎週通う英会話教室のクラスメイトである70歳のおばちゃんも、1人でばんばんネットで予約して海外旅行している。見習わないといけないと思う。
なので、添乗員はもちろん現地の案内人もいない。
空港からアムステルダム中央駅までの移動も自力で行かねばならぬ。
ガイドブックによると列車で約20分、切符は自動販売機で買えるようだ。
2.3€×3人(約750円)、支払いは現金ではなくクレジットカードのみ受け付ける。
カードの種類を選択するボタンで、マスターカードのアイコンをタッチするのだが、何回やっても受け付けられないでカードが排出される。よーく見るとそれはマスターカードそっくりなアイコン「Maestro Card」だった。それがわからず、かなりの時間をここでロス。みなさんご注意下さい。
ついでに言うとMaestro Card以外のクレジットカードを使用すると手数料が取られる。

スキポール空港のピクトグラム
乗り換えなどは、ピクトグラム(絵文字)をつかった看板があちこちにあるので、かなりスムーズに進んでいける。日本だと途中で看板がなくなりとまどうこともあるが、ここではそんなことはなかった。
列車の看板を頼りに、切符を持って空港内からエレベータで地下へ降りると、そこはいきなりプラットホームだった!?
当然改札へ通じるのだと思って、目の前の適当なエレベータに乗ったら、ロッテルダム方向のホームへ降りていた。
駅のこのシステムが理解できず、何人も人にたずねて正しいホームへ。このあたり、英会話教室へ通い続けた経験が多少は生かせているかも。まあ中学レベルの会話ではあるが。
みんな親切に教えてくれる。

アムステルダム中央駅

駅員もいないし、列車もがーっと入ってきて、がーと出ていく。もちろん日本式のうるさいアナウンスもなければ発車のベルもなし。
なんとか目的地の中央駅に着く。ここも改札はスルー。
車内検札にきたときにまずいのかもしれないが、切符なくても乗れてしまうってこと?!
(これについては後述)
さて、この時点で現地時間夕方の5時である。
あたりはすでに真っ暗、気温は氷点下少し下がったぐらいか。まだ気が張っているせいで、コートを着るもの忘れていて、娘から「寒くないの?」と言われて初めて寒さに気付いた。
ホテルまではさらにここからメトロに乗らなければならない。
ここでわれわれは今の状況を説明しておくと、スーツケースをひとり1個ずつ。
それが、どれも機内預け上限ぎりぎりまで詰め込んだ20kgの代物。
重要物をいれたショルダーも各自1個、女性たちはさらに衣類関係をいれた小ボストンバッグ。
ボクはパソコンも持っている上に、関空でユニクロを見つけ、嬉々として防寒対策のダメ押しで肌着など購入したのでこれも持っている(←バカ者)
20kgのスーツケースはやはり重い。
疲れた体にこの重さはつらい。
しかし、メトロに乗るためには地下へ行かねばならない。
探してみてもエレベータはなく、あれ?エスカレータは故障して停止してる!
階段の前でたちすくむわれわれ。
この先、さらに試練が待っているとはこのとき知る由もなかった。

一日目 続く